急速に事業を拡大する製薬企業が、包括的な需要計画による予測策定の改革に挑む

メーカーが製品ポートフォリオや市場範囲を拡大するにつれて、テクノロジー ソリューションの限界に到達してしまうことがあります。画期的な医薬品を開発しているあるグローバル製薬企業でも、予測および需要計画システムの分野においてこの現象を経験しました。

「当社では新製品を発売していくことに力を注いでいます。そんな当社の予測プロセスは、財務、マーケティング、供給計画など複数の関係部門からデータを集めることで成り立っています」と、同社の需要計画担当シニア マネージャーは述べています。「計画策定は製品ごとに行い、そこで使用するデータは、さまざまな国からあらゆる形式で送られてきます。そのため、一貫性のあるグローバル予測を行うことが難しい状態にありました。効率的に計画を策定していくには、こうした情報をすべてまとめられる一元的な場所が必要でした」

事前構成済みの需要計画アプリケーションを導入

このような状況の中で、同社の需要計画チームは、手作業による煩雑な作業から戦略的な意思決定プロセスへと需要計画を変革する機会を見出しました。それが Anaplan の事前構成済み需要計画アプリの導入だったのです。このアプリは、製品および顧客のライフ サイクル管理、需要シミュレーション、統計的分析のすべてに対応しているため、予測および需要計画の精度を向上します。つまり、すべてを網羅した需要計画ソリューションです。

「事前設定された機能が数多くあり、それらをそのまま使用しました」と、同シニア マネージャーは振り返ります。「調整が必要な場合も、導入パートナーが手早く簡単に調整してくれました。最終的に、自社のニーズを完全に満たす需要計画ソリューションを手に入れることができたのです」

すべての国に対応した包括的な需要予測

このアプリには合意プランニング (Consensus Planning) という機能があり、情報をチーム全体にリアル タイムで簡単に共有できます。「すべての情報を一画面で確認でき、予測に更新があればそれもすぐに反映されます」と、同シニア マネージャーは述べています。「正しいデータを一カ所に集めることで、本格的な需要計画が可能になり、私たちのインサイトが会社の戦略的意思決定にも影響を及ぼすようになりました。信頼できるシステムを手に入れたおかげで、経営陣を説得することも以前より簡単になりました」

一時的製品・顧客 (Temporary Product and Customer) と製品/顧客連鎖 (Product and Customer Chaining) という 2 つの機能により、製品を組み合わせて全体の需要を把握することも可能です。同シニア マネージャーは次のように述べています。「当社では、製品の早期アクセス プログラムを実施し、発売前の製品を治験という形で患者さんに提供することがよくあります。こうした早期アクセスの製品と市販後の製品は分けて追跡していますが、このアプリを使えば、それらのデータを統合して、すべての国の総合的な需要を予測できます」

さまざまなソースからデータを集め、組み合わせ、予測モデルを構築していた時間は、今では複雑で戦略的なタスクの方に振り分けられるようになりました。「まだ販売を開始していない国の予測も立てることができるようになりました。おかげで、5 ～ 10 年というスパンで需要がどのようになるのかを明確に理解することが可能です」と、同シニア マネージャーは指摘します。「そのインサイトは工場と直接共有でき、製造の意思決定に役立てられます。また、経営陣もこうした情報をさらなる計画策定に役立てています。つまり、Anaplan の需要計画アプリは、事業を拡大して新しい市場へと販路を広げていく私たちに、需要を正確に予測する力を与えてくれたのです」