銀行のための戦略的ワークフォース計画
計画から実行へ:ワークフォース計画遂行のためのよりスマートなアプローチをご紹介します。
以前はトータル8週間かかっていた次年度予算策定の日数も、Anaplan導入後は2週間ほど短縮されました。佐鳥 正太郎氏, グローバルコーポレート業務部 予算管理チーム 調査役 (インタビュー当時)
次年度予算策定にかかる日数を8週間から2週間に短縮
5~6名のスタッフが行っていた予算データの集計が2~3名で残業なく完了
グローバルコーポレートカンパニーの経費率が2017年度の72%から2020年度には55%まで低減
2016年4月に親会社であるみずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)が「カンパニー制」を導入したことを機に、みずほ銀行の各事業部門が五つのカンパニーに再編されました。このうち、海外業務を担当するグローバルコーポレートカンパニーは、東京本部のほか、支店や現地法人など86拠点を世界中に展開しています。
グローバルコーポレート業務部 予算管理チーム 調査役の佐鳥 正太郎氏が所属する予算管理チームは、各グローバル拠点の経費予算や実績・見込を管理する役割を担い、経費の実績(予実)や見込を月次で集計し、その結果に基づいて次年度の予算を策定する業務があります。
しかし、グローバルコーポレート業務部 予算管理チームは、各拠点から送られてくる膨大な予算データの集計に要する過分な業務負担を抱えていました。
Excelベースでデータを集計する過程で生じる入力・計算ミスや、管理会計のルールに沿って固定費や変動費に配賦する作業負担を解消するため、統合経営管理プラットフォームのAnaplanを選定しました。
「短期間で導入できることに加え、コストパフォーマンスの高さ、構築の柔軟性や変更の容易性などが決め手になりました」(グローバルコーポレート業務部 予算管理チーム 調査役 泉 真由氏)
導入により、各拠点が予算や実績などのデータをプラットフォームに入力すれば、海外地域本部や予算管理チームも同一画面で同じデータを共有・自動集計できるようになりました。また、経費データを部門や拠点に自動配賦し、付け替える業務もAnaplan上で柔軟に再現しています。
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社(以下、デロイト)からAnaplanの導入パートナーとしてPMを担当した栗原氏は、「みずほ銀行様との長年にわたる強固なリレーションが正確な課題導出、そして課題解決に直結するAnaplanの導入提案に繋がりました。また、開発当初はデロイトが過去に実装を行ったAnaplan案件からの経験の蓄積が初期の開発構想を円滑に進めるポイントでした」と当時の状況を語ります。
Anaplanの導入によって、予算管理チームによる経費予算業務は飛躍的に効率化しました。以前は年末に各拠点から送られてくる予算データを集計は2~3名のスタッフがほぼ定時までの仕事でこなせるようになり、格段の省力化とスピードアップを実現しています。
「月次の管理においては、データの中から必要な部分だけをグルーピングして財務部門に報告しています。データのトレーサビリティがあるので、現場に聞かずともドライバーベースのコスト配賦をステップごとに細かい粒度まで把握できます」(泉氏)
さらに、拠点ごとの経費の使い方を「見える化」し、コスト削減の施策を立案することが可能になりました。
「集計作業などの定型業務は、人件費の高い国から安い国に移したほうが、全体コストが下がるといったように、拠点ごとの利用状況を見ながら全体最適化を図ったほうが望ましい場合もあります。比較や分析を重ねて業務のオフショア化を促すなど、グループ全体としてのコスト削減に取り組んでいきたいです。今回のAnaplan導入による作業工数や要員の削減、さまざまな経費削減施策はより効果的なコスト削減を実現させていて、Anaplan導入のROIは極めて高いと考えています」(佐鳥氏)
佐鳥 正太郎氏、グローバルコーポレート業務部 予算管理チーム 調査役
泉 真由氏、グローバルコーポレート業務部 予算管理チーム 調査役